WhatsApp Coexistence:WhatsApp BusinessアプリとAPIを同じ番号で使う
WhatsApp Coexistenceは、WhatsApp Businessアプリで使っている番号をWhatsApp Business Platformに接続します。スマートフォンから返信を続けながら、チーム、自動化、AIが同じチャットで作業できます。
MonoChatチーム 更新日: 2 分で読めます
目次
WhatsApp Coexistenceを使うと、WhatsApp BusinessアプリとWhatsApp Business APIを、同じ電話番号で同時に利用できます。すでにアプリで使っている番号をWhatsApp Business Platform(Cloud API)に接続し、スマートフォンから返信を続けながら、共有受信トレイ、チャットボット、自動化を同じ会話で動かせます。お客様は今までどおりの番号にメッセージを送り続けられ、事前にWhatsAppアカウントを削除する必要もありません。
Coexistence以前は、APIに移行すると、その番号でアプリを使えなくなっていました。このガイドでは、Coexistenceの仕組み、アプリとAPIの間で同期される内容、アプリで変わる点、事前に把握しておきたい制限、そして向いている企業を解説します。
WhatsApp Coexistenceとは
Coexistenceは、WhatsApp Businessアプリの番号を、アプリを切断せずにCloud APIへオンボーディングする仕組みに対する、Metaの呼び名です。Metaの開発者向けドキュメントでは「onboarding WhatsApp Business app users」と呼ばれています。実際には、1つの番号に2つの入り口があるということです。
- WhatsApp Businessアプリ:オーナーのスマートフォン(および対応するリンク済みデバイス)で、1対1のチャットをこれまでどおり利用できます。
- API:ビジネスメッセージングソフトウェアに接続され、チーム、AIアシスタント、ワークフローが同じチャットを読み取り、返信できます。
どちらから送った返信も、もう一方に表示されます。オーナーがスマートフォンからお客様に返信すれば、チームは共有受信トレイでその返信を確認でき、逆の場合も同じです。
同僚に共有できる簡単な定義は、用語集のCoexistenceの項目をご覧ください。
Coexistenceの仕組み
手順は短いものです。メッセージングプラットフォームでWhatsAppの接続を開始し、既存のWhatsApp Businessアプリの番号を接続することを選びます。その後、Metaがアプリでの確認を求めてきます。
- Metaのオンボーディングウィンドウに、ビジネス用の電話番号を入力します。
- WhatsApp Businessアプリに、Metaの公式ビジネスアカウントから、Business Platformへの接続を求めるメッセージが届きます。
- アプリで確認し、チャット履歴をプラットフォームと共有するかどうかを選びます。
- 手順の途中で表示される認証コードを入力すると、番号がAPIに接続されます。
この時点から、番号は両方の側で利用可能になります。Metaは、最初の同期が実行されている間、アプリを開いたままにしておくよう求めています。
開始前に必要なもの
- WhatsApp Businessアプリで有効な番号。 個人用のWhatsApp番号は、この方法ではオンボーディングできません。
- 最近のアプリバージョン。 Metaのドキュメントでは、WhatsApp Businessアプリのバージョン2.24.17以降が記載されています。
- MetaビジネスポートフォリオとWhatsApp Businessアカウント。後者はオンボーディング中に作成できます。
- アカウントと地域の利用資格。 Coexistenceはどこでも提供されているわけではないため、導入を計画する前にプラットフォームで確認してください。
アプリとAPIの間で同期される内容
| 項目 | Coexistenceでの動作 |
|---|---|
| 1対1のチャット | 双方向にミラーリング。アプリからの返信はプラットフォームに、プラットフォームからの返信はアプリに表示 |
| チャット履歴 | 任意。共有に同意すると、直近約6か月(180日)の1対1の履歴をプラットフォームに同期可能 |
| 履歴内のメディア | 古いチャットのメディアは限定的。Metaが含めるのは、直近約14日間のメッセージのメディア参照のみ |
| 連絡先 | WhatsApp番号のある連絡先を同期可能。その後の追加や編集も同期 |
| グループチャット | 同期されません。グループはアプリでのみ利用可能 |
| リンク済みデバイス | オンボーディング後に最大4台のコンパニオンデバイスを再度リンク可能。WhatsApp for WindowsとWearOSからの返信はミラーリングされません |
見落としやすい点が2つあります。1つ目は、オンボーディングによって既存のコンパニオンデバイスのリンクが解除されるため、あとで再リンクする必要があることです。2つ目は、履歴と連絡先の同期は、接続後すぐにプラットフォームが実行する1回限りの手順だということです。同期の期間を過ぎてしまうと、Metaのドキュメントでは、同期するには一度切断して再度オンボーディングする必要があるとされています。
WhatsApp Businessアプリで変わること
アプリのほとんどの機能は引き続き使えますが、番号をAPIに接続すると、一部の機能が変わります。
| アプリの機能 | 接続後 |
|---|---|
| ブロードキャストリスト | オフ。既存のリストは読み取り専用 |
| 消えるメッセージ | 1対1のチャットでオフ |
| 一度だけ表示のメッセージ | 1対1のチャットでオフ |
| リアルタイムの位置情報 | 1対1のチャットでオフ |
| 全員に対する編集と削除 | 利用可能 |
| グループチャット | アプリでは引き続き利用可能。API経由では利用不可 |
| 音声通話・ビデオ通話 | アプリでは引き続き利用可能。Coexistenceの番号ではAPI経由では利用不可 |
| カタログ、注文、ステータス | アプリでは引き続き利用可能。API経由では利用不可 |
| クイック返信、ラベル、あいさつメッセージ、不在メッセージ | アプリでは引き続き利用可能。API経由では利用不可 |
| ビジネスプロフィール(名前、住所、ウェブサイト) | アプリで管理 |
実務上、最も大きな変化はブロードキャストリストです。お知らせに使っていた場合は、その業務を、APIで送信する承認済みのテンプレートメッセージに切り替え、オプトインしたお客様にのみ送信してください。そのまま応用できる文例は、WhatsAppテンプレートメッセージの例のガイドにあります。
把握しておきたいCoexistenceの制限と料金
スループット
Metaは、アプリとCloud APIの両方を使う番号に、毎秒20メッセージという固定のスループットを設けています。多くの小規模・中規模企業にとって、サポートや通常のキャンペーンには十分な数値です。短時間に非常に大量の送信を予定している場合は、キャンペーンのタイミングに織り込んでください。
API側にはメッセージング上限が引き続き適用される
APIから送信するテンプレートメッセージは、他のAPI番号と同様に、ビジネスポートフォリオのメッセージング上限にカウントされます。ビジネスの認証を受けることは、この上限を引き上げる方法の1つです。手順はMetaビジネス認証のガイドをご覧ください。
費用の負担
- WhatsApp Businessアプリから送信するメッセージは無料です。 Metaによると、カスタマーサービスウィンドウの対象外であり、APIの会話ウィンドウを開いたり変更したりしません。
- API経由で送信するメッセージには、Cloud APIの料金が適用されます。 メッセージのカテゴリ(マーケティング、ユーティリティ、認証、サービス)と受信者の国ごとに、メッセージ単位で課金されます。
- APIのカスタマーサービスウィンドウが開くのは、オンボーディング後にお客様がメッセージを送ってきたときだけです。 接続前にメッセージをくれたお客様には、再度メッセージが届くまで、API側からはテンプレートでしか連絡できません。
料金と計算例は、WhatsApp API料金、または一斉送信の料金計算ツールをご覧ください。
スマートフォンをアクティブに保つ
Coexistenceは、プライマリのスマートフォンでWhatsApp Businessアプリがアクティブであることに依存しています。Metaは、プライマリデバイスの長期間の非アクティブ(約14日間)を、Coexistence接続が切れる原因の1つとして挙げています。アプリは定期的に開き、別のスマートフォンに番号を再登録する場合は、接続が終了してしまうため、事前に計画してください。
Coexistenceはどんな企業に向いているか
スマートフォンが販売の一部になっていながら、1台では足りなくなった場合に、Coexistenceが最も適しています。
- オーナー主導のビジネス:創業者は、VIPのお客様にはこれからもスマートフォンから返信し、それ以外はスタッフが共有受信トレイで対応します。
- サロン、クリニック、代理店、店舗:看板、名刺、広告に番号を掲載しており、変更できません。
- APIを試しているチーム:すべてを一度に切り替えるのではなく、チャットボットや自動化を段階的に追加したい場合です。
- 営業チーム:担当者は外出先で返信しますが、マネージャーには可視性、割り当て、レポートが必要です。
Coexistenceが適さない場合
- Coexistenceの番号でMetaが対応していないAPI機能(API経由の通話など)が必要。
- 短時間に非常に大量の送信を行い、固定のスループットでは足りない。
- 番号が個人用のWhatsApp番号である、または地域が対象外である。
- チームのワークフロー外のスマートフォンから返信されたくない。
こうした場合は、番号をAPIに直接登録してください。その方法はWhatsApp Business APIの取得方法のガイドで、両者の選び方はWhatsApp BusinessアプリとAPIの比較で解説しています。
Coexistenceと、番号を完全にAPIへ移行する場合の比較
| Coexistence | APIへの完全登録 | |
|---|---|---|
| 番号でWhatsApp Businessアプリを使い続けられる | はい | いいえ。先にアプリのアカウントが削除される |
| チャット履歴 | アプリに残り、直近の1対1の履歴はプラットフォームに同期可能 | 事前にバックアップしない限り、WhatsAppから失われる |
| アプリのブロードキャストリスト | オフ | 該当なし |
| スマートフォンから送信するメッセージ | 無料 | 不可。すべてAPI経由 |
| スループット | 毎秒20メッセージで固定 | MetaのAPI標準スループットに応じて拡大 |
| 向いているケース | 引き続きスマートフォンから返信するオーナー主導のチーム | 作業をすべてソフトウェア上で行うチーム |
番号がすでに別のプロバイダーでAPIに登録されている場合、必要なのはCoexistenceではありません。プラットフォーム間でAPI番号を移すのは別の手順で、WhatsApp番号の移行のガイドで解説しています。
MonoChatでWhatsApp Coexistenceを設定する方法
MonoChatはMetaの公式Business Partnerであり、公式のCloud APIでWhatsApp Coexistenceに対応しています。設定は3ステップです。
1. 番号を確認する
WhatsApp Businessアプリの最近のバージョンで有効な番号が必要です。利用資格はMetaのポリシー、アカウント、地域によって決まります。ご不明な場合は、ビジネスの詳細を添えてお問い合わせください。番号に最適な設定方法を確認いたします。
2. MonoChatに接続する
app.monochat.aiで無料アカウントを作成します。Basicプランにはエージェント1つとチャネル1つが含まれ、その他のプランは料金ページでご確認いただけます。WhatsAppの接続を開始し、既存のWhatsApp Businessアプリの番号を選んで、スマートフォンのアプリで接続を確認します。番号の変更も移行も不要です。設定が対応している場合は、直近のチャット履歴をインポートして、受信トレイを文脈のある状態で始められます。
3. チーム、AI、自動化を追加する
スマートフォンからの返信は続けながら、それ以外の作業をMonoChatに移します。
- 共有受信トレイ。 会話は統合チーム受信トレイに届き、担当者の割り当て、社内メモの追加、スマートフォンから送られた返信の確認ができます。
- AIによる返信。 AIアシスタントがよくある質問に回答し、リードを見極め、必要に応じてチャットを担当者に引き継ぎます。
- ワークフロー。 ワークフロー自動化で、チャットを部署に振り分け、フォローアップを送信し、CRMやヘルプデスクでアクションを実行します。
- キャンペーン。 アプリではブロードキャストリストがオフになるため、一斉送信で、オプトインした連絡先に承認済みテンプレートとしてお知らせを送信します。
典型的な1日はこのようになります。オーナーは長年のお客様にスマートフォンから返信し、AIアシスタントは営業時間と料金に対応し、広告から来た新規リードは営業担当者に振り分けられ、同じスレッドでオーナーの先ほどの返信を確認できます。
お客様:こんにちは。土曜日に2名で空いている時間はありますか?
AIアシスタント:はい、土曜日は11:00と14:30が空いております。どちらがよろしいでしょうか?
お客様:14:30でお願いします
AIアシスタント:承知しました。担当の佐藤に引き継ぎましたので、まもなくメッセージで確認のご連絡をいたします。
情報源
MonoChatで実践する