タグ起点の自動化:お客様のタグが付いた・外れたときに始まる 5 つのフロー
プロフィールに付いているだけのタグは何もしません。タグの追加・削除と同時に動き出す 5 つの実践レシピを紹介します。VIP フォロー、商談段階の管理、適切なチームへの引き継ぎ、ナーチャリング配信の停止、カウンターによる再試行の上限です。
MonoChatチーム 更新日: 2 分で読めます
目次
タグ起点の自動化とは、お客様にタグが付いた、または外れたときに始まるフローです。担当者が会話に vip を付けると、すぐにフォローのメッセージが送られ、適切なチームが割り当てられます。リードが stage:qualified に進むと、前の段階のタグが外れ、営業が引き継ぎます。お客様の consent:marketing が外れると、ナーチャリング用のタグもまとめて外れます。MonoChat では、バージョン 3.8.41 で追加された 2 つのイベントノード、お客様のタグが追加されました と お客様のタグが削除されました で構築します。
この記事では、トリガーの動きを説明したうえで、数分で再現できる 5 つのレシピを送信メッセージの例とともに紹介します。国内では LINE が主流ですが、訪日客や海外のお取引先と WhatsApp でやり取りする企業を想定した例にしています。
なぜタグからフローを始めるのか
多くの自動化は、お客様の行動から始まります。新しいメッセージ、新しい会話、支払いなどです。タグは違います。タグは判断を記録します。多くの場合、会話を読んだ担当者の判断で、キーワードのルールでは推測できない内容です。たとえば「この方は卸のお取引先」「このリードは見積もりの準備ができている」「このクレームは責任者に回すべき」といったことです。
これまで、その判断はラベルで止まり、次の手順は誰かが覚えておく必要がありました。タグのトリガーを使えば、タグそのものが次の手順になり、1 人の担当者の知識がチーム全体の業務フローになります。
タグがまだ整理されていない場合は、先に タグによる顧客セグメンテーション をお読みください。種類ごとに 1 つの接頭辞(interest:、stage:、consent:)を使う短いルールが、以下のレシピを安定させます。
MonoChat でのトリガーの仕組み
フローデザイナーのお客様イベントから、お客様のタグが追加されました または お客様のタグが削除されました を追加します。ヘルプセンターに記載されているルールは次のとおりです。
| ルール | フローへの影響 |
|---|---|
| ノードに入力したタグ | カンマ区切りで入力したタグだけを待ち受けます。空欄ならどのタグでも始まります。 |
| タグを変更できる人・仕組み | 追加:担当者、フロー、一斉送信、広告からの流入。削除:担当者または お客様のタグを削除 ノード。 |
| 変化がなければ実行なし | すでにあるタグの追加や、ないタグの削除では何も始まりません。 |
| 1 回の変更につき 1 実行 | 複数のタグが同時に変わると、すべてを持った 1 回の実行が始まります。 |
| 自己起動なし | フローは自分のノードによる変更には反応しません。 |
フローの先頭に置くと、新しい実行が始まります。フローの途中に置くと、タグが変わるまでその実行を待機させます。たとえば見積もりを送ったあと、担当者が stage:won を付けたときにだけ次へ進む、といった使い方です。
組み合わせるノード:
- お客様のタグを設定 はタグを 1 つ追加し、お客様のタグを削除 はカンマ区切りで複数のタグを外します。
- If の条件 お客様のタグ は、お客様がいずれかのタグを持つか(含まれる)、どれも持たないかを判定します。
- 会話を割り当てる、メッセージを送信、テンプレートメッセージを送信、待機。
- カウンターには フロー変数を設定 の 増やす と、条件 フロー変数の値。
レシピ 1:VIP フォロー
目的: 担当者がお客様を VIP に指定したら、ベテランの担当者が引き継ぎ、お客様にはその日のうちに連絡が届くようにします。
- お客様のタグが追加されました(
vipを待ち受け)。 - 会話を割り当てる で重要顧客チームへ。
- カスタマーサービスウィンドウが開いている間に メッセージを送信:
Dear Ms. Garcia, thank you for staying with us again at our ryokan in Kyoto.
From today, Kenji will be your personal contact. Feel free to message him here
for any requests before your next visit.
- 必要に応じて 2 日間 待機 し、短いご様子伺いを送ります。
メッセージの種類は Meta のルールで決まります。お客様からメッセージが届くと 24 時間のカスタマーサービスウィンドウが開き、閉じたあとは承認済みのテンプレートメッセージしか送れません。最後のやり取りから時間がたってタグが付くことが多い場合は、utility カテゴリのテンプレートで テンプレートメッセージを送信 を使います。
レシピ 2:リードの段階管理
目的: お客様は常に 1 つの段階だけにいて、段階が変わるたびにその段階の仕事が実行されるようにします。
重要な段階ごとにフローを 1 つ作ります。stage:qualified の場合:
- お客様のタグが追加されました(
stage:qualifiedを待ち受け)。 - お客様のタグを削除:
stage:new, stage:contacted。 - 会話を割り当てる で営業チームへ。
- メッセージを送信:
Thank you, Mr. Tan. Based on your answers, our export team is preparing a quote
for 40 cartons. Yuki will send it here by tomorrow noon (JST).
手順 2 の削除でこのフローが再実行されることはありませんが、stage:new の削除を待ち受ける別のフローは起動します。ウェルカム配信を止めるには便利ですが、ループが生まれる原因にもなります。フロー A が付けたタグでフロー B が始まり、B が A の監視しているタグを外す、という形です。段階ごとのフローを先に紙に描き、1 つのタグにつき責任を持つフローを 1 つに決めてください。
リード獲得については WhatsApp でのリード獲得 をご覧ください。
レシピ 3:適切なチームへの引き継ぎ
目的: ボットや担当者が用件を見分けてタグを付けると、手作業の転送なしで会話が適切なチームに届くようにします。
- お客様のタグが追加されました(
team:wholesale, team:returns, team:billingを待ち受け)。 - チームごとに条件 お客様のタグ の If ノードを置きます(例:
team:wholesaleが「含まれる」)。「いいえ」の分岐は次の If へ。 - 各分岐で 会話を割り当てる を使い、該当チームへ。
- 対応の目安を伝えるため メッセージを送信:
You are now connected with our wholesale team. We reply Monday to Friday,
9:00-18:00 JST, usually within one hour.
タグは会話のあともお客様に残るため、後でチーム受信トレイや一斉送信の絞り込みに使えます。チームと業務量の分け方は WhatsApp の会話をワークグループに振り分ける、AI エージェントから人への引き継ぎは AI から人への引き継ぎ をご覧ください。
レシピ 4:タグが外れたらナーチャリング配信を止める
目的: 配信は、お客様が対象である間だけ続き、状況が変わった瞬間に止まるようにします。購入した、配信停止を希望した、担当者が対象外と判断した、などのケースです。
配信フロー:
- お客様のタグが追加されました(
nurture:courseを待ち受け)。 - 2 日間 待機。
- If:お客様のタグ に
nurture:courseが「含まれる」。はい:次の講座内容で テンプレートメッセージを送信。いいえ:終了。 - 3 日間 待機 し、次のテンプレートの前に同じ確認。
配信を止めているのは、各メッセージの前の確認です。タグがなければ、次の手順は何も送りません。
後片付けフロー:
- お客様のタグが削除されました(
consent:marketingを待ち受け)。 - お客様のタグを削除:
nurture:course, nurture:webinar, nurture:winback。
これで、1 回の配信停止でお客様はすべての配信から外れます。WhatsApp Business Messaging Policy は、送信前のオプトイン(同意取得)と、ブロック・停止・配信解除のすべての依頼を尊重することを求めています。日本の企業にとっては、個人情報保護法や特定電子メール法の考え方とも一致します。配信を始める前に、このフローを用意してください。同意の文面と送信ペースは WhatsApp のオプトイン と WhatsApp ドリップキャンペーン で解説しています。
レシピ 5:3 回で担当者に引き継ぐカウンター
目的: タグによってお客様に何かをお願いするとき、ボットは決まった回数だけ尋ね、その後はループせずに担当者へ引き継ぎます。
たとえば、海外のお客様にパスポートの写真を送っていただく必要があるとき、担当者が docs:needed を付けるとします。
- お客様のタグが追加されました(
docs:neededを待ち受け)。 - フロー変数を設定:
attemptsを 増やす 1。まだ存在しない変数は 0 として扱われるため、1 回目で 1 になります。 - 質疑応答:「Please send a clear photo of your passport’s photo page.」
- If メッセージの種類が画像なら:お客様のタグを削除
docs:needed、お客様のタグを設定docs:received、お礼を送信。 - そうでなければ If:フロー変数の値 で
attemptsが 3 以上。はい:会話を割り当てる で担当者へ、お客様のタグを設定docs:stuck。いいえ:手順 2 に戻る。
Thank you, but the photo is a little blurry. Could you try once more in good
light, with all four corners of the page visible?
カウンターはその実行の中だけで有効で、新しい docs:needed のたびに 0 から始まります。増加に失敗した場合(変数が数値でないなど)、ノードは 失敗時 の出力に進み、変数は元のまま残ります。
避けたい失敗
- 表記ゆれのあるタグ。
VIP、vip、vip-customerは別々のトリガーです。作る前に表記を決めてください。 - お互いを起動し合う 2 つのフロー。 フローが無視するのは自分の変更だけで、ほかのフローの変更は無視しません。
- ウィンドウが開いている前提。 タグは最後のメッセージから数日後に付くこともあります。テンプレートメッセージを用意しておきましょう。
- 確認のない配信。 各メッセージの前に お客様のタグ の条件がなければ、タグを外しても何も止まりません。
- 同意の代わりにタグ。 タグは同意を記録するもので、同意を生み出すものではありません。
タグ、Webhook、タイマーの使い分け
タグは、担当者、ボット、広告、一斉送信など、MonoChat の中で行われる判断に向いています。判断が別のシステムで行われる場合(たとえば越境 EC サイトでの注文の支払い完了)は、Webhook でフローを始めます。「何も起きないこと」がサインなら、お客様から返信がないときのフォロー で紹介したタイムアウトを使います。
レシピを試すには、app.monochat.ai で無料アカウントを作成し、フロー を開いてレシピ 3 から始めてください。多くのチームが翌朝には効果を実感するレシピです。
出典
- WhatsApp Business Messaging Policy(whatsappbusiness.com)(2026 年 11 月 2 日閲覧)
- Meta for Developers:Send messages とカスタマーサービスウィンドウ(2026 年 11 月 2 日閲覧)
- MonoChat ヘルプセンター:Flows(2026 年 11 月 2 日閲覧)
- MonoChat 変更履歴:Version 3.8.41(2026 年 11 月 2 日閲覧)
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