WhatsApp の顧客セグメント:タグで、合う相手に合うメッセージを届ける
タグは、WhatsApp 運用チームがいちばん手軽に持てる顧客管理です。整理しやすいタグ設計、MonoChat のフローでタグを自動で付け外しする方法、Meta のオプトイン規則を守ったまま一斉送信をタグで絞り込む手順を紹介します。
MonoChatチーム 更新日: 1 分で読めます
WhatsApp の受信箱は、たいてい同じ状態から始まります。お客様は名前と番号だけ。田中様がプレミアムプランについて尋ねたことを思い出す手段は、画面を遡ることだけです。連絡先が数百件になると、これは通用しなくなります。見込み客と購入済みのお客様の区別がつかず、全員に同じ販促を送り、望んでいない方からブロックされてしまいます。
セグメントを分ければ解決しますし、始めるのに別の CRM は要りません。顧客に付けるタグを一貫して運用すれば、グループごとに返信、振り分け、一斉送信を変えるには十分です。
ラベルではなく「判断」から始める
タグを作る価値があるのは、実際の対応が変わるときだけです。作る前に「このタグがあるお客様には、〜する」という文を完成させてみてください。役に立つ答えは3種類あります。
- 誰にどのメッセージを送るか:
interest:skincareのタグがあるお客様だけにスキンケアのご案内を送る。 - 誰が対応するか:
vipのタグがあるお客様は上位チームへ回す。AI から有人対応への引き継ぎを参照してください。 - どのフローを動かすか:
stage:quote-sentのタグがあるお客様には、2日後にフォローアップを送る。
どれにも当てはまらないタグは、ただの散らかりです。作らないでください。
整理しやすいタグ設計
種類ごとに接頭辞を1つ決め、小文字、スペースなしにします。多くのチームは次の3種類でまかなえます。
| 種類 | 例 | 何がわかるか |
|---|---|---|
interest: | interest:skincare, interest:hair | 何を求めているか |
stage: | stage:lead, stage:quote-sent, stage:customer | 購入までのどの段階か |
consent: | consent:marketing, consent:stopped | 何を送ってよいか |
設計は一度文書にして、チームで共有してください。よくある失敗はタグの不足ではなく、Skincare、skin care、skincare-interest が同じ意味で並ぶことです。表記のゆれがあると、絞り込みの結果が信用できなくなります。
フローでお客様に自動でタグを付ける
手作業のタグ付けは1日10件なら回りますが、100件では破綻します。MonoChat では、お客様とやり取りしている最中にフローがタグを付けます。使うノードは次のとおりです。
- Set Customer Tag は、お客様にタグを1つ付けます。変数が使えるので、お客様の回答からタグを組み立てられます。
- Remove Customer Tags は、タグを1つ以上外します。複数のタグはカンマで区切ります。お客様が持っていないタグを外しても何も起こらないため、フローがそこで失敗することはありません。
- Customer Tag 条件は、If ノードの中で使い、お客様が指定したタグのいずれかを持っているか(includes)、どれも持っていないか(not-includes)を調べます。
New Message Received で始まるフローでは、Question Answer ノードで関心のある商品を尋ね、回答に応じて interest:skincare を付け、同じお客様があとで支払いを済ませたら stage:lead を外す、という流れが組めます。先に Customer Tag 条件を置けば、すでに stage:customer のお客様は自己紹介のやり取りを飛ばせます。
フローが付けたタグは、会話をタグで絞り込んだときにすぐ表示されます。管理者が受信箱を開けば、そのグループが一目でわかります。
一斉送信をタグで絞り込む
MonoChat の CRM では連絡先を一覧し、タグのほか、担当者、作成日・更新日、言語、プロフィール項目などで絞り込めます。CRM から一斉送信するときの手順は次のとおりです。
- 送りたいグループの絞り込みを適用します。例:
interest:skincare。 - フィルターの選択肢を1回クリックすると含め、2回クリックすると除外します。この方法で
consent:stoppedを除外します。 - 繰り返し使うなら、フィルターを保存します。保存したフィルターは、一斉送信の Custom Filters のステップで、連絡先を手動で選んでいなくても使えます。
- 承認済みのテンプレートを選んで送信します。受信者ごとの記録は Bulk Messaging に残り、一人ひとりの配信状況を確認できます。
セグメントを絞った送信は、Meta の制限の範囲内に収めるうえでも役立ちます。WhatsApp は、1人が全事業者から受け取るマーケティングテンプレートの数を制限することがあり、届かなかったメッセージはエラーコード 131049 で失敗します。詳しくはブロックされずに一斉送信するためのガイドをご覧ください。関係のあるメッセージを少数に送れば読まれますが、同じメッセージを全員に送ればブロックされます。
同意が先
タグは「知っていること」の記録であり、許可を与えるものではありません。Meta の WhatsApp Business Messaging Policy では、メッセージを送る前に、相手が電話番号を提供して御社からの連絡にオプトインしていること、そして配信停止の希望に応じることが求められます。文面の例や同意の取り方は WhatsApp のオプトインを参照してください。
同意をタグ設計に組み込みます。
consent:marketingは、実際にオプトインを取得できた場合だけ付けます。たとえば Opt-in ノードを使ったフローで取得したときです。- 配信対象は「
consent:marketingがある」で作り、consent:stoppedを除外します。 - お客様から配信停止の希望があったら、
consent:stoppedを付け、Remove Customer Tags でconsent:marketingを外します。次回の一斉送信から自動的に対象外になります。
タグ設計を健全に保つ
- 毎月見直す。 タグ一覧を開き、似たタグを統合し、誰も絞り込みに使っていないタグを削除します。
- 古い段階を外す。 見込み客から購入者に変わったら、同じフローの中で古い
stage:タグを外します。1人のお客様が2つの段階にいる状態を作らないためです。 - メモは人のため、タグはルールのため。 「18時以降の電話を希望」はメモに、「更新のリマインドを送る」はタグにします。
実例:海外向けスキンケア通販
東京のスキンケア通販ショップが、海外のお客様に向けて Click to WhatsApp 広告を出しているとします。ウェルカムフローでは「ご関心があるのは、スキンケア、ヘアケア、両方のどれですか?」と尋ね、回答に応じて interest:skincare または interest:hair と stage:lead を付けます。ご購入後は別のフローが stage:lead を外して stage:customer を付け、Customer Tag 条件で購入済みのお客様を初回割引の対象から外します。2週間後、ショップは interest:hair と consent:marketing を持つお客様に、consent:stopped を除外してヘアケアのテンプレートを一斉送信します。求めていない内容のメッセージは、誰にも届きません。
出典
- WhatsApp Business Messaging Policy
- Meta for Developers: per-user marketing template limits
- MonoChat help center: Flows and Broadcast Messages
- MonoChat changelog v3.8.36 (Remove Customer Tags action and Customer Tag condition, 26 Oct 2026)
MonoChatで実践する